ガスケットの安全性と高度なシール性を要求が高まるなか、適正材質の選択と装着を的確に行う専門的な知識が必要不可欠となってきました。
信頼できるシールを得るためにはガスケット材及びガスケットを含めたフランジアッセンブリーは多くの条件を満たす必要があります。
1.フランジ不整面へのなじみ
ガスケットの圧縮率、シール面の状態及び締め付け面圧によります。
2.流体適合性
使用条件かにて当該流体に耐薬品性があることをご確認ください。概して、負荷がかかっていないガスケット材よりも、適正面圧のかかったガスケット材の方が
耐化学薬品性は優れています。
3.フランジアッセンブリーの強度について
ガスケットの性能が発揮されるかどうかはフランジアッセンブリー全体にかかわっています。これまで以上にタイトなシール性が必要とされていますが、
流体圧力が上がるにつれ、より高い締め付け面圧をかける必要があります。このような条件下においては、フランジアッセンブリーそのものを吟味選定する必要があります。
高いシール性を得るための適正面圧に適合するフランジやボルトなどの部品を使用することが不可欠です。
ガスケット面圧は使用寿命にかかわっています。一般的なガスケットは艇面圧で使用するよりも、過負荷までは至らない範囲内で高面圧がかかっているほうが長寿命となります。
高温条件で断続的な稼働のために負荷変動が起こる場合には高温での変化が起こらないタイプのガスケット材(膨張黒鉛PSM、トップケムシリーズあるいはカンプロファイル109など)を
使用してください。
非連続の水、水蒸気の熱サイクル使用条件でシートガスケットを使用する場合はできる限り薄いガスケットにて最低30MPaの面圧をかけてください。
4.固着防止剤
ガスケットは乾燥した状態で装着してください。ガスケットペースト類を塗布すると材質の安定性や耐負荷特性に悪影響をもたらします。圧縮されていない状態では、ガスケットは
液体を吸収し、使用中に漏れを発生することもあります。ガスケットをフランジから取り外しやすくするために、クリンガー製品には固着防止表面処理が施されています。
5.シール性
シール性は装着時および稼働時の面圧次第です。これまで述べた指針に従って選択され、装着されたガスケットは長期間使用できます。安全のため、例外を除き再使用は推奨しかねます。
6.最高許容面圧
最高許容面圧は流体圧力、温度、ガスケットの厚みによって決まります。これを超える面圧をかけないでください。最低必要面圧より高く、最高許容面圧より低い限り許容範囲を超える漏れは
発生しません。
クリンガーガスケットには広範囲に渡る漏れ試験測定を実施しており、クリンガーエキスパートガスケット選定プログラム及びカタログ値のベースとなっています。
7.クリンガーのガスケットは極低温にも適しています。使用温度全域においても必要面圧がかかっていることが漏れを起こさない条件です。極低温下で増し締めをしないでください。