パイロジャケットは、高断熱グラスファイバーを筒状に編み込み、外部に酸化鉄とシリコンラバーのコーティングを施してあります。
溶解した高温の金属の飛沫や幅射熱からホースやケープル等を保護します。
パイロジャケットは、260℃の継続性の耐熱性能と1090℃（15〜20 分間）1640 ℃（15〜30秒間）の耐熱性能を持っています。
パイロジャケットは、工業用と航空宇宙用のグレードがあります。
工業用は4' 内径まで、航空宇宙用は11・1/2' 内径までサイズがあります。
航空宇宙グレードの製品は、SAE AS1072スペックに適合します。
航空宇宙グレードのパイロジャケットは、高繊維グラスファイバーと高密度織成グラスファイバーによって作られています。
主な用途としては製鉄所のスチール・ミル、アルミニウム精錬プラント、海上採油ドリルなど及び、鋳造及びガラス製造設備などです。
パイロジャケットは、高度な柔軟性を有し、金具及びコネクターにも柔軟に密着します。
外面カバーは、化学物質、ハイドロリックオイルに特に強く、又ホースのバンディング（複数を束ねる）によって耐磨耗性を向上させることができます。
ゴム加硫ライン、プレス、インジェグションプラント等でも高温の流体のある所では使用されています。
■人体に悪影響を与えず、他に類をみない高耐熱・耐火性能
本製品は、他に類をみない高耐熱・耐火性能を有し、柔軟にホースとケープルを保護する事を目的とした製品です。
工場内の熱源やワイヤープレードホース、バルプ、エンジンの排気システム等の高熱から作業者を守り、また、一般のコーティングされていないグラスファイバーやアスベスト断熱材のように、人体に悪影響は与えません。
ホースその他の配管から熱効率のロスを削減し、さらに外部環境の温度上昇を防止します。また、溶解した高熱の金属の飛沫、溶接の火花、断続的な炎などからホースやケープルを守り、スラグやレジン等からも保護する事により、熱によるホースの硬化、割れ等の損傷を防ぎます。
このことから、火炎や電気、空気圧や油圧回路の影響等から引火性の流体・危険性のある流体を保護する事にもなり、様々な用途でその高い性能を活かす事が出来る革新的な製品です。
■仕様
| 内径 | 1 / 4 “～4 “（6～100m/m） |
|---|---|
| 長さ | 30m（Max） |
※Aerospaceスタンダード（米国航空宇宙規格）1072D（SAE規格）に適合。
ゴム又はPTF Eホース、金属管の保護性能は、Aerospaceスタンダード耐炎テスト1055Bに合格しています。（1093 ℃で15秒間）軍用、航空機用、ミサイル、巡航艇に使用。
■用途パターン
| アルミニウム溶解炉 | 非鉄金属の溶解炉のホースとケープルは、溶解したアルミニウムの飛沫から保護するためにパイロジャケットとパイロテープを使用している。特殊な編み込みグラスファイバーを使用したパイロジャケットが、厳しい状況下で使用されている。 |
|---|---|
| 高温のホース・パイプによる熱傷害 | 蒸気、熱湯、高温の油圧ラインは、作業員に火傷などの被を与える場合がある。パイロジャケットとパイロテープは、その高温から作業員を保護する。 |
| 熱効率のロスの低減 | ホースと配管を被覆することによって熱効率の低下を防ぎ、媒体の温度をコントロールする。 |
| 海底油田 | “BOPやCHOKE及びKillホース”の一部として、また、不意の火炎から重要な操作回路を保護する。 |
| 幅射熱 | ホースとケープルが炉やポイラー、エンジン、排気管等の近くにある場合、パイロジャケットとパイロテープは、効果的に保護する。 |
| 断続的な炎 | 加熱又は、焼き入れのためのバーナー付近、炉のドア付近、溶接、ロウ付け、切断等の作業時に使用されている。 |
| 火災発生エリア | パイロジャケットとパイロテープは、ホースとパイプ内のオイル、ソルべント、燃料その他の引火性液体をオープンラインの火災から保護する。 ※例ー車両、船舶機関等。 |
| 耐摩耗 | 本来の目的では無いが、ゴムカバーを更に装着することにより耐摩耗の効果があります。 |
| 重金属 | 燃料ガス供給ライン用として火災切断機等で使用すれば飛散する金属からホース、ケーブルを保護することができる。 |
